仕事となると人は先送りを嫌う傾向にあるようだ。
以前読んだ記事に、１日６時間労働しかしないでみる、という取り組みをしていた。
それによって人の心は豊かさや余裕を感じるかという実験なのだが、結果はあまり芳しくなく、むしろやり残したタスクをそのままに帰宅するのは、残業するより余計にストレスだと感じるというアンケート結果などもあったようだ。
人は基本的にやり残している感覚を明日に持ち越したく無いものなのだ。
しかし日常生活となると、仕事のような意識では取り組めないことが多い。
人に迷惑をかけるリスクも少ないし、そもそも家の中は、職場では無いからリラックスしたいものだ。同僚や上司から能力を品定めされているわけでも無い。
食器が出しっぱなしになっていたり、片付かない衣服を保留のままソファの上に置いていたり、石鹸が切れている、時計の電池を取り替えないといけない、あそこの汚れた壁紙の補修はどうしようか、網戸も破れていたから夏までに直さないと、iPadを充電器にぶっ刺して、ああスリッパの底が破れてきている、ゴミ出しを忘れた、ベッドの下ほこり溜まってるだろうな、回覧板回さないと、玄関が散らかったままだ、牛乳が切れそうで、あそこの蜘蛛の巣もう一ヶ月以上ある気がする、猫のゲロを片さないと、PCのデスクトップもぐちゃぐちゃになってきた、この役所からの郵便捨てたいけどもうちょっと置いとくか、あのメールの返事返したっけ、掃除機に何か詰まっている、このニット毛玉がすごい、あの電球切れたら困るだろうな、歯磨きは明日の朝にするか、ギターの練習いつからやってないっけな、とりあえず録り溜まってる番組でも見るか、洗濯物畳んだけどなおしてない、傘が倒れたまま、あの傘たてかけてもすぐ倒れるしな、換気扇が汚いし、もうとっくに効果の切れたブラックキャップが家中に転がっている、ムカデコロリも、髭を剃らないといけないから風呂には入るとして、ブログ更新は諦めよう、携帯の解約月調べないと、自動車税も払ってなかった、洗車が先か、転居届の更新、花粉のマスクを用意、髪の毛切らないと、歯医者もそろそろ…等々。
日常生活は、特殊な技能や知識が必要ないから侮りがちだが、非常に処理能力を試される試練の場である。
人にはそれぞれキャパシティがあるだろう。
これは私のイメージだが、PCのようなもので、同時進行で抱え込んでいるタスクが溜まれば溜まるほど、メモリの容量がいっぱいになっていき、やがてものすごく鈍重な動きになっていく。
この人のキャパというのは、１００％になった瞬間いきなり処理能力がいっきに落ちるというわけではなく、だんだん遅く、鈍くなっていくものだと思う。
日常生活において無精な御仁というのは、この自分のキャパが、８０％、９０％を超えたあたりからようやく重い腰を上げて処理に乗り出すという感じなのでは無いだろうか。
しかしその頃にはもう頭の中は色々と混雑していて、十分な処理能力を発揮できない。
ストレスが多く、非効率である。
溜まり溜めているものを一度リセットして、ご自分のメモリをすっきりさせると、生活にハリが出て常にモチベーションを高く保って生活できるのでは無いだろうか。
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