私は自炊には一切の関心が無く、また栄養学などにもまったくの教養が無い上に興味も無いゆえに、体の健康の維持に対して実に無力な存在である。
しかし、だからと言って自堕落にどうにでもなれと、日々食べたい物を食べまくって、メタボリックな体に色んな問題を抱えて、腫瘍がどうの血圧がどうの、腎臓の数値が、肝臓の脂肪が、心臓の不全がと、あれこれ悩むのは御免こうむりたいし、できればシャキシャキと８０くらいまでは生きながらえて色々やってみたいと思っているので、少しくらいは気をつけている事はある。
惣菜を買うにしても外食をするにしても、まず諦めない事が第一に肝要では無いだろうか。
諦めるとはつまり、どうせ外食、体に悪い悪いと言われてるから、そうなのだろう、ならば、もう思いっきり一番うまそうで体に負担そうなものを、いいじゃないか食ってしまえ、悪あがきなんてしゃらくさい、というような感覚である。
せっかく金を払っているんだ、もういいや一番カロリーの高いのを持ってこいと、こういう思考である。
そうしてカツ丼とラーメンとUFOで出来た体を作り上げるということになりかねない。
私は述べたように自炊にも栄養学にもまったく興味が無いし、そういう事に神経を使うことに面倒を感じるほうだが、それでも気をつけるために、子供でもわかるような分かりやすい目安を作って意識するようにしている。
それは、食べ物の調理法、色、味をできるだけ多彩にピックアップすることである。
例えば調理法には、焼く、煮る、炊く、蒸す、漬ける、揚げる、生などがある。
色ならば、白、黒、赤、黄、緑、などがある。
味ならば、甘い、しょっぱい、酸っぱい、辛い、苦い、などがある。
これらが、できるだけ満遍なくある献立だと、単純にある程度勝手にバランスが良くなるはずなのだ。
具体的にビタミンBがこの食品にどれくらい含まれて居て、人間は1日にこれこれの栄養素を何グラム必要、鉄分は体の中ではどのような働きをして、欠乏するとこういう症状がどうたらこうたらとか、そういうのは、私は苦手で、考えるのも面倒くさい。
そういう御仁はきっとおられるだろう。
しかしこの方法ならば、あまり難しい横文字や科学式に惑わされる事なく、食事の献立について少し気を使うことができる。
バランスの良い献立というのは、色んな調理法で、色んな食材を、色んな味付けで料理したものと言えるだろう。
そしてそういうバランスの良い献立というのは、得てして体に良いだけでなく、本当に体が喜ぶ、美味しさがあるものだと思う。
外食だから無理だ、コンビニ弁当だからどうせ、惣菜でそんな事、と投げてしまうのは早計では無いだろうか。
あと、単純に食べ過ぎを回避する方法として、汁物を付けるというものがある。
コンビニで弁当を買ってくるにしても、どうせ弁当ひとつじゃ足りないだろうと食後のデザートやからあげくんを追加で買うのでは無く、カップ味噌汁を付けて飲むと、妙にお腹は落ち着く。
いちから栄養の事を学び、料理を覚えて食材を揃えて、などというと私には無理だが、そういうちょっとした気遣いならば、できる。
無駄では無いはずである。
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