2017年4月24日月曜日

気取った表現で深淵な自分をアピールする言葉は、聞く者に胸焼けを起こさせる。

日本人は謙虚という美徳があると言われている。
私は、ただ自信が無いだけのやたらめったらな謙遜を美しいとは思わないが、やはり人は謙虚であるべきだと思う。
謙虚というものを目指す上で、ひとつ大事にひっさげておきたいもの、どこかに落っことしたまま突っ走りたくないものが、羞恥心だ。

先日遅めの夕飯に入った飯屋でたまたま見たTV番組で、あるアーティストの対談が行われていた。
具体的な名前は、このアーティストのファンが読者におられたら不愉快にさせてしまうので、一応伏せておこう。
というくらい、私は知らなかったが、結構有名なすごく若い女性ミュージシャンである。

この女性ミュージシャンの対談で語る一言一言が、ものすごく構えているというか、いわゆる格好つけていたのが、飯を食らう私の耳に滑り込んできては、耳の奥でいちいち粘りついていた。
正確に言うと彼女の対談相手もさらに一枚も二枚も上回る気取りを纏ってネバネバ粘ついていたが、そこにまで触れると長くなるのでとりあえず彼女に話を絞ろう。

彼女は上にも書いた通り、非常に活躍しているアーティストで、世間にも広く認知されている。
強い個性が売りで、自由で、独特の世界観を持ち、その魅力でファンを中毒的に魅了しているようだ。
大きなコンサートを何度も開き、今まで誰もしなかったような奇抜なパフォーマンスで観客を楽しませる、個性派アーティストといった感じで紹介されていた。
つまりはともかく成功している人である。

しかし、残念ながらその対談の中での彼女の自分語りは、羞恥心をどこかに置き忘れてきた人のそれであった。
自分のセンスがすごく冴えていて、いかに自分が一般の人たちと違って自由で、感覚が特殊であるということを、できるだけ漠然とした表現で紡ぎ、分かりにくくすることによって強調したいというような、粘っこい野心のようなものが見え見えで、自分の何百倍も成功している御仁を指してこう言うのもなんだが、若いなぁ・・・という感じであった。

要約すると彼女の言いたかった事というのは

「感覚の研ぎ澄まされた一部の人には理解してもらえるんだけど、私ってこんなに自由で特殊でとんがった感覚の中でアーティーに世界を眺めてます。でも都会の中で歯車の一部みたいになっちゃってる一般の人は、私が感じてるようなこの世界の文化、大事な部分の感覚、情報をおざなりにして鈍感に生きてる、ってことにさえ気付けないよね。」

みたいなことである。

私は、特にそういうセンスで勝負するような人、感覚が研ぎ澄まされるような生業で生きていける人こそ、分かりやすい言葉を使って、当たり前のようなことを、普通に語ったら良いと思う。
当たり前のようなこと、普通の事を平凡な表現で語らっている時こそ、その人の考え感じ方の魅力的な部分というのはふとした表現の端々に本人も意図しないさりげなさで現れると思うのだ。
そういうものは、聞く者に、スッとなんの嫌味も無く浸透してくるものである。

そしてそういう何気無い魅力に満ちた人こそ、素敵な人だと普通に思う。
シンプルな魅力、というものから対極にあるようなものをギットギトにまとった対談を聞かされて、やや胸焼けして店を出た次第であった。

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