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ある”元”新聞配達員について
2017年2月20日月曜日

人は生きていき易くなるために物欲に囚われているフリをしている?

お金が好きな御仁は生き易い。
というような内容のブログ記事を読んで、ははぁ~、なるほどそうだなと思った。

人は多かれ少なかれ生活のためにお金を稼ぐ、ために仕事をするが、お金に興味が強い御仁、お金持ちになりたい御仁は仕事という行動に熱意を入れる思想的な根拠がある。
しかし、お金は幸せになんら関係が無い、という強い思いに縛られすぎると、逆にものすごくこの世の中は行き辛くなる、というような内容であった。

そのブログの著者自身、そういった、金銭など下らないという思想ゆえに苦悩する御仁のようだったが、この論は転じれば、お金は幸せを生まないと分かってはいても、それでも何かしらの金銭的な目標を作る、望みを作る、ということが、処世術に繋がるという見方ができる。
例えば、年一回の海外旅行を楽しみにすれば、仕事に張り合いが出る。
最新の機器が好きだ、とか、ブランドのバッグが欲しい、とか、世界中の食器に興味がある、だとか。

そう考えていると、私が今まで書いてきたようなことが、自分の中で言いたい結論は一緒なのだが、その途中に修正を加えたくなるような気になってきた。

私は結局、幸せになりたい、幸せとは何かというような事をよく、考えている。
そしてそれは、お金では買えないという結論はつくづく行き着く一つの着地点だ。
だからそのままそう書いてきたのだが、ただ、幸せだとか充実だとかそういった精神的な到達点を支える基盤である”生活”は、”お金”と切り離して考えることができない。そしてお金は”仕事”と切り離して考えることができない。
だから、お金に興味が無い御仁は、仕事に辛さばかりを感じるようになるし、生活の大部分を占める仕事が辛いのならば、幸せというものは感じにくいのかもしれない。

そう考えると、今まで、お金なんて関係ない、ブランド物などつまらない、物欲は邪魔だ、などと論じてきた私だが、案外、処世術として、そういった金銭で単純に買える物質やサービスに対して、無理やりにでも興味を持つことは、直接幸せには繋がらないまでも、生き易い思考回路を作る上で大きな役割を果たしているのかもしれない。
まあこのような論を弄んでいる私自身、じゃあ明日から旅行やブランド品を楽しみに仕事に精を出すかと問われたら、それは難しいが、ともかく、人はそうやって、意識的か無意識的か、自分が生き易いように物欲に囚われているように、振舞っているだけなのかもしれないと、ふと思ったのだ。

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