そこで先輩社員が新人に、見てみろと、ここが少し違うだろうと、偽物と本物を見比べて見ると、ものすごく似ているのだ。
こういうものを見ると非常に虚しい気持ちになる。
プロが訓練して真贋を鑑定するような微かな違いしか無いのなら、もう素人は鑑定してもらわないと一生気づかないということだ。
じゃあ偽物ブランドバッグを気づかずに愛用して、使い潰した後気づかないままに処分した人と、本物のブランドバッグを使用している人との間には、どれほどの違いがあるのだろうかと考えてしまう。
見た目には完全に同じなのだ。
収納される量や耐久性にも変わりは無い。
周りもそれを本物だと誰も疑っていない。
自分もそのバッグを本物と信じて、持ち歩くと高揚して気分が良い。
しかも割安で手に入った。
良いことづくしに見える。
でも偽物に騙されていると俯瞰的に見ると虚しくなる。
と同時に、本物にこだわることへの虚しさも漂ってくる。
例えば鑑定人という他人が、虫眼鏡か何かを覗き込んで「これは本物です」と言って証書か何かを発行してはじめて、その人の中でそのバッグの価値が成立するのなら、じゃあその鑑定人が間違えば、その人は本当の価値からひどく遠く離れた所で、ただただ盲目的に紙っぺらを握りしめて右往左往を演じているだけになる。
本物だろうが「偽物です」と言われたらもう、その人はそのバッグに1円の価値も見出せなくなってしまうだろう。
逆に偽物だろうがなんだろうが、鑑定人に一言「本物です」と言われたら本物になってしまうような脆弱な価値観で一喜一憂する人間にとって、本物だとか偽物だとかいうことの間に、どれほどの違いがあるのかと思う。
いらなくなって売却する時につく価格が違うという意味では、本物と偽物の間には価値の差があるが、バッグの価値の本質は使用している中にあって、売る時には無いし、本当にすばらしいバッグならそもそも手放さない。
そう考えていくと、ただただ虚しさの堂々巡りが私の中で起こる。
とにかくブランド品にまつわる話は、終始虚しいのだ。
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