三日坊主という言葉があるが、私は性格上、一度始めたものを三日で投げ出すということはしたことが無い。
さすがに三日では飽きないし嫌にならない。
が、やはり、ぐっと気力が失せかける瞬間がある。
例えばブログというものを例にとって考えてみよう。
ブログをされている方、大抵皆同じタイミングで、そういう瞬間があるのでは無いかと推測する。
まず一ヶ月目。
これは楽しい。ただただやりがいがあって突っ走れる期間だ。
初めの数字が0なわけであるから、右肩上がり決定である。
アクセス数を基準に考えるのか、それともいただいたコメントをやる気の源にするのか、ブログランキングの順位やポイントが上がるのを楽しみにするか、はたまた広告収入の月額で考えるのかそれぞれだが、とにかく一ヶ月目は伸びる一方である。
二ヶ月目。
これも楽である。
一ヶ月目を越えようという目標でやるのが普通だろうが、超えるべきハードルが実に低い。
毎日こつこつ続ければ簡単に2倍、3倍の伸び率が望める。
同じことを続けていても”先月の2倍の成果が上がった”となれば、絶対値が低くても相当なやりがいを感じることができる。
三ヶ月目。
まだ大丈夫だ。
二ヶ月目のラインを越えようと楽しんで試行錯誤する。
そうすればおそらく、先月の2倍、ということは無理かもしれないが、少なくとも先月よりかは成長している実感に、ほっと胸をなでおろすことができる。
四ヶ月目。
この辺りで壁がある。
アクセスにしろ収入にしろピタッと頭打ちになる。
書くことも、内容が薄い、薄いわりに被る、被るわりに寒い、などといちいち頭を悩ますことが多くなる。
悩む時間が多くなるわりに、右肩上がりだった成果は平行線。
何かと悩ましい時期に突入してくる。
五ヶ月目。
ここでまさかの下落。
頭打ちどころか、先月を下回る成果にがっくりくる。
人はこのタイミングで一度目の大きな”飽き”を感じるのでは無いかと思う。
ブログにしろダイエットにしろ筋トレにしろ、英語の学習にせよ楽器の練習にせよ自炊の挑戦にせよ、見えやすい成果や見えにくい比較基準はそれぞれ色々あるが、だいたいこのような成長曲線を伴う経緯を辿って、順調に壁にぶつかって、そこで「嫌になって辞める」というチョイスが濃厚に目の前に現れるのではなかろうか。
「続けることは難しい」という言葉をもうちょっと具体的に言うならば「壁にぶつかった時に続けるチョイスを選ぶことは難しい」ということであろうと思う。
しかし何を始めてもかならずこれくらいのタイミングで壁に一度衝突するだろう。
かけた時間と努力に比例してそのまま成長や成果が現れ続けるフィールドなどどこにも存在しない。
これは才能が無いとか向いてないとかそういう問題では無く、かならずそこにあるほとんど避けて通れないものである。
だから、壁を感じた時は「自分にはやっぱりこの道は向いて無いんじゃないか」とか「この先もうどうしようも無いんじゃないか」などとは思わずに、必ず通る道の途中に存在する”開けにくい扉”のようなものだと思ったほうが良い。
でないと、せっかくここまで進んで来た足取りがもったいない。
また別の道を歩んでも、必ず同じタイミングで同じような開けにくい扉は存在するのだ。
今停滞を感じている、そういう御仁がおられましたら、私などにはその状況の劇的な突破口に導くことはできないが、辞めてしまわれたりやる気を無くしてしまわれるのはあまりにもったいない。
少なくとも、これだけは重ねてお伝えしたい。
それは壁ではなく、開けにくい扉でしか無く、限界とか先の無い袋小路だとか、そういうものでは決して無い。
まあ、まあ、というような気分で、いま少し気長に続けていれば、思った通りの努力の報われ方はしなかったとしても、意外な好転結果に心踊る日もあることだろう。
それが積み重ねて登っていく人が辿る、無二の道であるのだろう。
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