私はもうずっと、10年ほど新聞配達の仕事をしていて、業務はてんで上の空でやってもこなせるくらい慣れているし、朝の早起きや、雨風暑さ寒さにも慣れたと思っていた。
だからストレスなどなんにも感じてはいないと思っていたのだが、ふと、あと1週間もすれば私は、明日の天気や起きる時間を、気にしなくてよくなるんだと気付いた時に、想像以上に心が浮き上がりまくるのを感じた。(*近々退職するため)
ということは、やはり慣れた慣れたと言っていても、心の底のほうではどこかいつもそのことを気にしていて、やっぱり圧を感じていたんだなということが今になって解った。
例えばサラリーマンにとって、朝の出勤などは、業務と同等か下手をするとそれ以上のストレスを感じているのではと思う。
公共交通機関で通おうが自家用車で通おうが、事故があったりすればひと騒動だ。
電車が遅れればラッシュは悲惨なものとなり、連絡を入れてタクシーに乗り換えるか、別の路線のホームに走るか、いずれにせよ嫌な汗を大量にかくハメになる。
車で他人の事故の渋滞に巻き込まれたら、いつ動き出すかわからない先の見えない列にイライラしながら、一本北の国道に出るべきか、南の産業道路を使ってはどうか、いやもう事故現場はすぐそこかもしれないなどと心は穏やかとは程遠い場所で右往左往しなければならない。
ましてや自分が事故を起こしたり、故障やネズミ捕りに見舞われた日には、頭を抱えてうずくまりたくなる心境である。
そういうことまで見越して、業務開始の1時間は前に着くくらいの時間に、毎日家を出ているという御仁も少なく無いだろう。
驚くべき勤勉さだが、そんなことに誰も驚かない事こそが、本当の驚くべきところである。
時間を厳守する、という感覚は、日常業務の中で、当たり前すぎるほど当たり前の条件であるが、これは人間の心にとって、非常に大きな負担のタネである。
件の日本の電車はおそらく世界でもトップで正確無比のダイヤで動き続ける、超優秀な交通機関であると思うが、これは人間にとって極めて不自然なことで、巨大なストレスを負って業務にあたっている人間の犠牲の賜物であろう。
他にもありとあらゆる業種の中で、厳格な時間厳守が遂行されて日本の社会は成長を続けていることだろう。
時間に追われることと、嫌な人間と仕事すること、この二つを合わせれば、人の心など簡単に壊せてしまう破壊力を持っている。
ある程度の年数を重ねれば、それにも「慣れた」と言える日が来るし、何が起ころうと幾分冷静に対処できるようになるが、本当の意味で心軽やかに解放される日は、来ないのだろう。
それほどに、金銭を稼ぐ代価というのは、非常に重い犠牲を強いてくる。
金を得るに差し出す代価は、すさまじい。
ゆえに物欲からはできる限り離れたほうが、良いと思う。
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