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ある”元”新聞配達員について
2017年5月17日水曜日

会社を辞めてから考えたのでは遅い!失業手当を手厚くするための準備は在職中から必要です。

失業や退職をしたらまず雇用保険のことについて考える、と思うのだが、自己都合で退職を考え出すとしたら、もうその時点から雇用保険の事を視野に入れて準備したほうが良い。
私は退職したが、再就職する意思が無いので雇用保険の受給については関係無いのだが、退職に前後して雇用保険の給付条件などをつらつらと見ていると、思わず突っ込んで考えてみたくなることが多かったので書いておきたい。

雇用保険を給付できる日数を決める条件と、自分の雇用保険加入期間を、事前に知っておくべき


まず一番に思うことは、冒頭に書いたことであるが、もうこの職場をそろそろ辞めようと考え始めたら、すぐにでも雇用保険の受給条件に目を通して自分の状況を把握することをおすすめする。
何故ならば、例えば一例として、あなたがもし、雇用保険を述べ9年8ヶ月ほど納めたタイミングで退職しようとしているならば、石にかじりついてでもあと4ヶ月勤めて10年以上にしたほうが絶対に良い。
そうすれば、自己都合退職でも30日間、会社都合に認定されたなら30〜60日間(年齢に依る)、受給日数が伸びることになる。
これはおおよその金額に換算すると、約15万円〜30万円くらいの違いになってくる。
ちょっとしたタイミングのズレで、これだけ受給金額が変わってくることを事前に知っておくことは、大事な事だと思う。
退職など人生にそう何度も経験することでは無いのだから、辞めてから詳しく調べても、後4ヶ月足りなかったでは残念なばかり。

受給日数を決めるのは「自己都合か会社都合か」「雇用保険に何年加入していたか」「年齢(会社都合退職の場合のみ考慮される)」で決まる。
自己都合で辞める場合は、とにかくこの、雇用保険に今何年加入しているか、というのを、しっかりと数えてみるべきである。
もし11ヶ月しか納めてないのなら、あと1ヶ月引き伸ばせば、給付日数は0日から90日に変わる。
金額にすれば、その1ヶ月のタイミングのズレだけで20万円以上は違うだろう。

給付日数が優遇される「会社都合退職」と「特定理由離職者」に当てはまるかどうかを吟味するべき


会社都合退職というと、リストラされるとか倒産するとかそういうものが思い浮かぶので、狙って適用されようなんてできそうもなさそうである。
しかし、この「会社都合退職」と「特定理由離職者」に認定される範囲を総じて「特定受給資格者」と呼ぶが、この特定受給資格者になるための条件というのは、よくよく見てみると、実に幅広い条件が用意されているので、当てはまらないと諦めるのは早い。
頭をひねってみる価値はある。

ここからは正直、ややアコギな内容になるが、お許し願いたい。

会社都合退職と、特定理由離職者に認定される条件をひとつひとつ見ていくと、その中で、例えばこんな条件がある。

『会社都合退職ー退職前3ヶ月間に月45時間を超える残業をしていた。』

ご自分の職場の残業時間を考えてみていただきたい。
今の職場を辞めたいと考えていて、月45時間残業時間が超えることなんてざらにあるなと思われ、かつ辞職のタイミングを自分で決めれるようであれば、45時間超の残業が3ヶ月連続したタイミングで辞めるというのもありである。
会社には自己都合として処理されるかもしれないが、残業時間を証明する書類さえちゃんと揃えておけば、ハローワークでは特定受給資格者と認定されるのは難しく無いであろう。

またこの条件には他にもこんなオプションがある。

「離職の直前6か月間のうち・・・」

①3ヶ月連続して45時間を超える時間外労働があった場合
②2ヶ月以上の期間で平均月80時間を超える時間外労働があった場合
③1ヶ月で100時間を超える時間外労働があった場合

これらどれかでも当てはめる事が可能ならば、証明できる書類をしっかり揃えてから退職すべきである。
しかしそんなことは、辞職した後気付いても遅い。
残業時間を証明する書類などそうそう転がってはいない。
きちんと意識して事前に準備し、揃えておかないと、事実を証明してみせることが叶わなければ、認定されることは無いだろう。

他にもこんな条件がある。

『特定理由離職者ー妊娠・出産などで退職し、かつ受給期間延長措置を受けた方』

あなたがもし、今後妊娠・出産を視野に入れて、今の職場を退こうと計画しているのならば、ただ何も無い時期に早めに手をうっておこうと、早期に退職してしまって、しかもこれから子育てに入るのだからと雇用保険も何も受け取らずに済ませるのは損かもしれない。
実際に妊娠したという検査結果が出て、その診断書なりを手に入れてから、それをしっかりと理由に明記してから退職し、受給期間延長措置の手続きを適正な時期にとり、その後延長期間内に延長措置の解除手続きをとれば、特定理由離職者として認定され、手厚い給付日数で失業手当を受給できる。
それをするのか、それともまったく受給せずに済ませるのかで、どれくらい違うだろうか。
年齢や、受給日数や元職場での最終給与額によって変動するが、ざっと50万円から100万円ほど、受け取れるか受け取れないかが変わってくると思われる。

他にもよく見れば色んな状況をカバーする条件が取りそろえられている。
どれかひとつでも当てはまればめっけものであるが、それは自分で見つけないと、会社やハローワークの人間が一生懸命探してくれるものでは無い。

雇用保険の受給に関して大事だと思うことはとにかく「退職する以前からよく条件に目を通し準備しておくこと」だ。
その時、特に考慮すべき点は上記に挙げた二つ「雇用保険加入期間が不利じゃないか」ということと、「特定受給資格者に認定される状況が無いか」ということだ。

小難しい計算式で1日の受給金額を割り出したりしたところで、別に実利になんの影響も無いのだから、そんなことよりもこの二つをよく見て、計画的に事を運べば、頭を使うのと使わないのとで、実際何十万円という差が出てくるケースが、いくらでもあると思われる。

そのことを、一人でも多くの「退職する前の段階にある」御仁に、知っていてもらいたい。

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