しかし、あまりにすんなり理解できるものだから、すっかり気持ちよくなって、片付けたい欲求のようなものが何も解決していなくても半分くらい満たされるというような事がありうる。
そしてその勢いでポイポイと、断捨離だ断捨離だと物を捨ててしまうと、すっきりした部屋を眺めてほとんど全部問題は片付いたと錯覚してしまう。
そこに落とし穴はある。
結局物を捨てるという行為は、その後に続く、不必要な物をこれ以上買わない、増やさないという継続的な努力が続かなければ、ただの消費行動でしか無くなるということである。
考え方の根底が変わっていなければ、旅行に行くたびに記念だと、都会に出るたびにオシャレだと、人と会うたびに楽しいと言って、半年、一年経った時には、また家には要るのか要らないのか微妙な物が溢れ始めている。
それをまた捨てる。
捨てたら捨てただけで満足して、またしばらくすると同じことを繰り返す。
これは、いらない物まで捨てられずに家に大事に溜めておく人よりも、たちの悪い無駄さに満ちている生き方では無いだろうか。
あくせく働いたお金がゴミに変わっていく、というどころの話では無い。
捨ててしまうわけだから、ゴミさえも残らないという具合だ。
つまり物を減らしたり無駄を省きたいと考えたら、捨てるという行為だけでは何も解決しないということだ。
捨てないで済むようにするためには、物を入手する際に神経質なほど、自分に本当に必要か不必要かを精査するクセをつけなくてはならない。
そしてその、必要か不必要か、という事を突き詰めて考えれば考えるほど、こんな物要らない、という結論に達するだろう。
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