人間不思議なもので、収納スペースがあると、そこは瞬く間に物で満たされる。
それはいくら新しい収納スペースを設けても、そこにスペースができる限り満たされていって、これ以上スペースは設けられないという所まで行って初めて「物を捨てないと…」と思い始める。
新しい収納スペースの確保というのは、シンプルだとかミニマルだとかいうスタンスからは、逆に遠ざかる方法なのかもしれない。
もちろん収納スペースなんて要らないと言っているのではなく、物が溢れてきたから新しい収納スペースが必要、と単純に考えてしまうと、うまく収納したとして見た目をすっきりさせても、内実はカオスそのものということになっていく危険があるということだ。
収納スペースというのは、どんどん減らせるというのが理想であり、「収納家具を処分しないと…」という悩みが出てくるのが、本来の整理のあるべき姿ではなかろうか。
だから、新しく無印でポリプロピレンの収納ボックスを買い足そうとお考え中の貴方は、ぜひ一度立ち止まって、収納スペースの増築よりも、収納スペースを削減するための工事を考えてみて欲しい。
例えば居間にそびえ立っている巨大なタンスが、一つ丸々無くせる日がくるなんて想像をしてみたら、新しい収納ボックスを買い足すなんて事よりも、はるかにエキサイティングだとは思われないだろうか。
それは決して不可能なことでは無いし、それが無くなって不便や不都合がやってくる日が、まあ来ないだろう。
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