もともと性格的に整理好きで、机の上などは綺麗でないと何にも集中できなかったし、部屋はいつもどこに何が置かれているかという厳格な取り決めが為されていた。
小学校の時など、今の小学生はあるのか分からないが、その頃『おどうぐばこ』というものがいつも机には入っていて、そこにハサミや折り紙やのりなど色々な道具が収められていたのだが、私のおどうぐばこほど綺麗なおどうぐばこは無いという具合であった。
クラスに数人は必ず、どうしてこうなるんだというような、混沌としたおどうぐばこにしてしまう子供が居て、そういう子供は、おどうぐばこに限らず、ランドセルを入れておくロッカーや、机の横にかけた手さげ袋の中も、何をそんなに入れておくものがあるんだというような物で、溢れかえっていたものだ。
私が物を極端に持たなくなったのは、やはり今の生活、配達所のせまい部屋に住み込みで働くようになってからだろう。
そもそもあまり何も置くスペースが無いのだが、これ幸いと、自分に本当に必要な物以外すべて手放していった結果、今この部屋には、自己紹介でも書いたように
・冷蔵庫
・その上のノートパソコン
・部屋の片隅の布団
・最低限の衣服
しか無いという状況になった。
机が無ければ、椅子が要らないし、カレンダーも時計も全て携帯電話があれば事足りる。
自分に必要な物を知るというのは、自分の身の程を知るという事なのかもしれない。
そうそう、携帯は持っている。
財布も。
いちおうこんな何も無い男だが、iPhoneなどという、こ洒落た機器をポケットに忍ばせている。
財布は一体いつから使っているのか、もしかしたら中学生の頃から使っているかもしれない。
母親が近くのスーパーの２階で１０００円くらいで買ってきたものであろうか？ある種の価値が出そうな骨董品である。
こんな性格をしているから、できる限り現金、特に小銭を持ちたくない。
早く世界は、全ての支払いをカードでできるようにしていただきたいものだと思う。
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