真冬の雨というのが、配達業務には一番辛い。
カッパで体は守れても手だけは守ることができないから、濡れた手が夜風にさらされてキンキンに冷えてかじかむ。
バイクのマフラーに手を当ててみたり、くらくらするほど手に息を吹きかけて温めてみたり。
マンションなどの雨風に当たらない場所は、オアシスのようなスポットとなる。
いつもは面倒なエレベータの上下も、もっとゆっくりでもいいぞと思う。
冬はとにかく雨は降って欲しくない。
夏ももちろん降って欲しくないが、降って欲しくなさの切実さが全然違う。
北風を含んだしとしとと降る続ける雨が一番辛いのだが、この冷え込みを見ると今日の雨はそういう雨らしい。
パンツも良く乾かないし踏んだり蹴ったりである。
たまにそうやって寒さに凍えて仕事をしたりしていると、なんとも惨めな気持ちになることもある。
寒いというのは、どうにも惨めなのだ。
それで寒い雨の日に、別の場所で野良犬を見かけた事があった。
傘を差していてもじっとしていられないような寒い風の吹き渡る日だった。
その犬はどうも病気なのか、それともただひたすらに弱っているのか、ぐらぐらぐらぐらと体を揺らしながらよたよた歩き、しかも体は小刻みにブルブルと震えていた。
その様子はあまりにも哀れで、私はなんとも気の毒なほどに可哀相になり、たまらず近くのスーパーで餌を買ってきて与えたことがある。
そんなもの、こんな弱った犬にとってこの寒い中なんの意味も持た無いだろうが、少なくともその時は、必死に食べてくれていて、私の心だけでも助けられるような思いだった。
次の日、いつものように新聞配達をしていると、まるで私の前に風に乗って参上したかのように、目の前の足元に千円札がどこからかふわりと舞い込んできた。
まるでその犬が、釣りはいらないと代金を払ってきたかのようだった。
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